(第3回)半田市水道お客様サービスセンターインタビュー「民間のノウハウで地域の水道を支える」
【連載企画】上水道課へようこそ
「上水道課へようこそ」は、水道の仕事に携わる人たちへの取材などを行う連載企画です。水道に携わる人たちがいきいきと、使命感を持って働いている姿を通して、水道の持つ役割や意義をお伝えします。
インタビュー:半田市水道お客様サービスセンター 所長・窓口職員(株式会社フューチャーイン 職員)※2022年時点
第3回目となる今回は、水道の窓口業務等を受託している株式会社フューチャーインの職員2名にお話をうかがいました。2人は半田市役所内の「半田市水道お客様サービスセンター」(お客様センター)の所長と窓口職員として働いています。日々の仕事との向き合い方のほか、委託を受けた民間事業者という視点から、地域の水道事業と民間事業者の役割等を語っていただきました。
記事内容
- お客様センターの仕事内容 水道に関するご依頼等を受ける総合窓口として
- 窓口職員として心がけていること お客様の立場で考えて行動する
- 民間委託の内容とメリット 民間事業者のノウハウを活かして水道業務を改善する
- 民間事業者の役割 市と水道工事店の活動を民間事業者が支えていく
インタビュー(1) お客様センター 窓口職員
水道に関するご依頼等を受ける総合窓口として
まず始めに、お客様センターでの仕事内容を教えてください。
お客様である市民の皆さんから、水道の使用開始や中止等の各種手続きのご依頼を電話や窓口で受けたり、その後の事務処理等を行ったりしています。また、水道料金や下水道使用料の収納に関する事務作業も行っています。口座振替で水道料金を引き落とした場合のデータ処理や支払い状況の確認等ですね。皆さんの生活に不可欠な水道の使用や料金に関わることなので、とても重要な仕事だと感じています。
(補足:水道の使用開始や中止は専用のWebサイトでも申込みができます。さらに、お引越しの際には、電気・ガス等の他の手続きと一括で手続きを行えるサービス「引越れんらく帳」もご用意しています。また、支払方法については、口座振替のほかスマートフォン決済サービスも導入しています。)
お客様の立場で考えて行動する
市民の皆さんと接する機会が多いと思いますが、仕事をするにあたって心がけていることは何ですか。
窓口や電話で市民の皆さんと最初に接する職員として、お話しをする際には、「もし自分が相手(お客様)の立場だったらどういったことが気になるか」等について考えながら、ご案内するよう心がけています。聞き慣れない水道の専門用語を使わないようにしたり、他の方からよくお問合せいただく内容を補足してお伝えしたりする等、ささいなことかもしれませんが、そういったことにも気を付けて応対するようにしています。
また、特に最近では新型コロナウイルス感染症に関して、当然行うべき基本的な対策ではありますが、窓口応対の前後には、その都度窓口の消毒や清掃を必ず行っています。市役所にいらっしゃる市民の皆さんには、少しでも安心してお手続きをしていただければと思っています。
(※写真:感染症対策として、受付窓口等をこまめに消毒をしています。)
インタビュー(2) お客様センター 所長
民間事業者のノウハウを活かして水道業務を改善する
まず始めに、株式会社フューチャーインが受託している水道に関する業務の内容や、民間委託によるメリットについて教えてください。
当社は、愛知・静岡・岐阜等で水道の受付窓口等の業務を受託し、各市役所等に職員を配置して業務を行っています。半田市においても、水道の使用開始や中止等の受付窓口の業務や、水道料金の徴収・収納業務、その他にも水道法で定められている毎日の水質検査や水道メーターの管理等、様々な業務を受託しています。
こうした業務を私たち民間事業者に委託する自治体側のメリットとしては、まずは事務の効率化によるコスト削減があります。その他にも、例えば、収納率の向上という業務課題にも民間事業者のノウハウを活かして改善を図ることができます。水道料金が収入のほぼすべてを占める水道事業の経営にとって、水道料金の収納率の変化は事業経営に大きな影響を及ぼします。また、水道を使用した分だけ料金を支払うべきという公平性の点からも、収納率の向上はすべての水道事業体が目指すべき課題だと思います。しかしながら、私の経験では、これさえやっておけばいいというような、収納率を向上させる画一的な手法は存在しないと感じています。例えば、同じ人口規模の自治体であっても、平均的な世帯構成や年齢層、生活形態は異なりますし、また、水を多く使う大規模な工場はどれくらいあるのか、工場の稼働状態はどの程度かなど、地域ごとの特性を踏まえた分析を行い、収納率向上のための方策を独自に編み出していく必要があります。
そうした点では、各地の自治体で水道料金の徴収業務を行ってきた当社の実績や経験が、半田市における水道の使用状況の分析や収納率向上の手法の立案に活かされていると思います。
(※画像:平成26年度に委託を開始して以降、収納率が向上しています。)
市と水道工事店の活動を民間事業者が支えていく
これからの水道事業のあり方について、考えや想いを教えてください。
現在の水道事業を取り巻く状況として、広域化(自治体間での水道施設や水道事業経営の統合等)や、民間委託の拡大等の様々な変化が起きています。そうした中で、私たちのような全国的に事業展開をしている民間事業者の役割は、それぞれの地域で水道を支える人たち、具体的には自治体や地元の水道工事店や水道組合が今後も活動を続けられるようサポートをすることだと思います。地域に根差して活動する自治体や水道工事店こそが水道を支える主役であると考えています。こうした役割を前提として、民間事業者への業務委託を検討していく必要があるのではないかと思います。
そして、これは災害時にも適用できる考え方です。当社は、半田市と災害支援に関する協定を締結しています。地震等の災害時に市内で行われる応急給水活動等に際して、当社から人員や物資等の支援を行うというものです。日頃から水道という公共的な業務を受託している当社は、災害等の非常時にこそ地域のために動くということが重要だと考えています。
これからも、水道の業務を受託する民間事業者として、これまで培ってきたノウハウを活用しながら様々な場面で貢献していきたいと思います。
(※写真:お客様センター所長)
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