令和6年度市長施政方針

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ページ番号1003847  更新日 令和6年3月5日

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「令和6年第2回半田市議会定例会」において示した「令和6年度市長施政方針」について全文をご紹介します。

1.はじめに

令和6年第2回半田市議会定例会の開会にあたり、施政の方針について申し上げます。市民の皆様並びに議員各位の深いご理解と、市政への格段のご協力を賜りたいと存じます。

はじめに、令和6年能登半島地震により亡くなられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、大切な方を亡くされた方々、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
被災地の皆様におかれましては、大変な苦難の中にありますが、一日も早い復興と平穏な日常生活が戻ることを心よりお祈り申し上げます。
今回の甚大な被害に対して、本市は、被災地からの支援要請に基づき、職員派遣や義援金の受付、市営住宅の提供などの支援を展開しております。また、自主防災会等の市民を被災地へ派遣する被災地ボランティア派遣事業につきましては、速やかに実施できるよう体制を整えております。
能登半島地震については、知多半島に位置する本市にとって、学ぶことが多い災害となり得ます。得られる教訓を活かし、南海トラフ地震等で被災した際に、速やかに災害対応を開始できるよう体制の強化充実に努め、日頃からの防災減災に対する意識の醸成を図りながら、大規模自然災害に備えてまいります。

さて、昨年は知多半島最大のビッグイベントである「第九回はんだ山車まつり」が「慶(よろこび)」をテーマとして、二日間にわたり開催されました。
開催にあたりましては、市民、山車組、経済界、行政が一丸となって取り組み、市内外から55万人ものお客様にご来場いただきました。
コロナ禍を乗り越えた「慶び」を皆で分かち合い、半田市民の力を市内外にお示しすることができた素晴らしいまつりになりました。
ご尽力、ご協力いただきました全ての皆様に、改めまして厚く御礼申し上げます。
私は、この素晴らしい祭りを通じて、半田市の魅力と誇りを再認識することができました。
市長として、本市の歴史と文化を継承していく重責を感じると同時に、未来を創る希望を強く感じています。半田の祭りは、この地域で育まれてきた豊かな文化と伝統の結晶です。
その象徴ともいえるはんだ山車まつりの令和9年の開催に向けて進んでまいります。

また、昨年は新美南吉の生誕110年を迎える節目の年でもありました。
市民の皆様には、さまざまな記念事業を通じて、南吉の魅力に触れていただきましたが、「合唱ミュージカル 手ぶくろを買いに」や「ごんぎつね朗読リレー」には、市内の子どもたちが多数参加してくれました。また、令和6年9月の新たな学校給食センターの供用開始に伴い、新しい給食食器が導入されるにあたり、南吉の絵柄で飾るためのデザインを公募したところ、市内の小中学生から879点もの応募がありました。
生誕110年を通じて南吉の世界に触れ、心豊かに成長した子どもたちは、10年後、20年後には半田市を背負う立場になります。
私は、こうした子どもたちの成長と可能性を信じ、未来に寄り添い、応援したいと思っています。この生誕110年は、教育と子育ての環境を整えることに全力を注いでいくことを改めて誓う一年となりました。

一方で、私たちが多くの自治体と同様に避けて通ることのできない課題が、将来の人口減少への対応です。
人口減少は、まちづくりの財源である税収の減や労働力の不足を生じ、未来の半田市における持続的な市民サービスの提供を危うくする問題です。
私は、この現実を直視し、危機感を持って取り組んでおります。今までと同じ、人口増加が前提の発想から脱却しなければ、まちの発展はないと考えています。
半田市が今まで以上に選ばれるまちとなるため、中心市街地の活性化や幸せになるための教育の導入など、新たな変革の種をまき、芽吹いた変革を成長させるべく取り組んでまいりました。
現在、本市におきましては、JR半田駅前や乙川中部の土地区画整理、JR武豊線の鉄道高架化、新病院建設など、市内各地で大きなインフラ整備が着々と進められています。
まちの姿が大きく変わり成長していくという、大きな希望の光のなかで、働き盛りの子育て世代が、仕事と子育てを両立し、安心して暮らすことのできる視点が必要であるとの認識から、3か年実施計画の発表にあわせ、『はたらく親を応援するまち』をテーマに掲げ、様々な取組について表明したところです。

令和6年度は、この新たなテーマへのチャレンジの幕開けの年と定め、市民の皆様が夢や希望をもって、いきいきと暮らし、幸せを実感していただけるよう、私が職員の先頭に立ち、市民の皆様と共に『チャレンジあふれる都市・はんだ』の実現に向けて全力で市政運営に取り組んでまいりますので、ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

2.新年度予算概況

それでは、令和6年度の予算の概要について申し上げます。

はじめに、国による令和6年度の経済見通しによれば、「実質GDP成長率は1.3%程度と予測され、総合経済対策の進捗に伴い、官民連携した賃上げをはじめとする所得環境の改善や企業の設備投資意欲の後押し等が相まって、民間需要主導の経済成長が期待されますが、海外景気の下振れリスクや物価動向に関する不確実性、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある」としています。

こうした中、国の令和6年度予算は、足下の物価高に対応しつつ、デフレからの完全脱却と民需主導の持続的な成長の実現に向けて、人への投資、GX、DX、スタートアップへの支援、少子化対策・こども政策の抜本強化を含む包摂社会の実現等による新しい資本主義の実現に向けた取組の加速、防災・減災など国民の安全・安心の確保を始めとする重要な政策課題について、必要な予算措置を講じるとしています。

本市の令和6年度当初予算は、総合計画に掲げた将来都市像である「チャレンジあふれる都市・はんだ」の実現に向けて、令和4年、5年度にまいた種を育てる施策及び事業を具体的な形にできるよう予算化しております。また、新たなテーマとして「はたらく親を応援するまち」を掲げ、働きながら子育てする保護者の皆様への支援に力を入れていくことで、人口減少問題に対してチャレンジしてまいります。

令和6年度当初予算は、公共施設整備の増加や物価高騰等の影響も受け、過去最大規模の487億9,000万円、対前年度比39億8,000万円、8.9%増としています。

半田市全会計の予算総額といたしましては、1,201億4,381万4千円で、前年度比13.0%の増としております。過去最大規模の予算となりますが、地方債残高の抑制に努め、引き続き、健全な財政運営を行ってまいります。

3.市民と共に挑む新たなチャレンジについて

それでは、令和6年度の市政運営上の課題と方針のうち、私が市民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、共に挑んでまいりたい新たなチャレンジについて申し上げます。

はたらく親を応援するまち

1点目は、「はたらく親を応援するまち」です。

私は、子育て世代の皆様が安心して働き続けられる環境を整えることが、人口減少問題への対策となり、半田市の未来を支えることにつながると信じています。
私自身、仕事と子育ての両立を模索する当事者でもあり、日々の暮らしのなかで感じる教育・子育てへの想いを大切にしながら、全力でチャレンジしてまいります。
まずもって実施していく取組は、保護者の困りごとや不安の解消、選択肢の増加につながる取組です。
急な用事や病気などで保育園に預けられないような際に、安全安心に子どもを預けることのできる場所やサービスの存在は、保護者の不安解消につながります。
このため、子育て支援センターでは、乳幼児の一時預かりの受入枠を拡充することとし、病児保育サービスについては、より利用しやすくするための検討事業を立ち上げてまいります。
障がいや発達課題のあるお子さんたちも、放課後児童クラブで楽しく過ごせるよう、専門のアドバイザーを配置することで受入の促進と各クラブの支援力を高めてまいります。
保育園の登園準備にも、手間や費用がかかるものです。荷物が少なくなれば、登園も安全になり、家で子どもと向き合う大切な時間も増えます。このため、すべての公立保育園で、3歳未満児のお昼寝布団や食事エプロンを用意し、登園時の荷物を減らすことといたします。

また、子育ての悩みや不安を気軽に相談できるオンライン相談窓口の開設や、外国籍の保護者が安心して子どもを預けられるよう、すべての公立保育園にWEB版多言語通訳サービスの導入や小中学校の児童・生徒が個別最適な学びを実現できるようICTを活用したAI搭載型のドリルの導入など、教育の分野でも「いつでも」「どこでも」「簡単」「便利」なデジタルシティ・はんだとして、デジタルトランスフォーメーション(DX)を積極的に進めてまいります。

さらに、3歳未満の2人目以降のお子さんの保育料を無償化してまいります。
これにより、2人目のお子さんから保育料が無償になります。これは所得制限などの条件を設けない、本市独自の施策です。

施設整備では、低年齢児保育や延長保育などの多様なニーズに対応するとともに、質の高い教育・保育と快適な施設環境を提供していく必要があります。このため、協和保育園と成岩幼稚園を統合し、新たな認定こども園の建設にも着手してまいります。
また、小学校に通う児童たちが、放課後も学校の中で安心して過ごせる居場所があれば、保護者が安心して働くことができるとともに、子どもの健やかな成長にも寄与できると考え、小学校内に放課後児童クラブ、児童センター、放課後子ども教室の3つの機能が集約された、子どもの居場所づくりを進めてまいります。

子どもの居場所づくりは、小学校の施設更新に合わせて整備していくことが合理的ではありますが、既存の学校施設が活用できる場合には、居場所の確保が可能かどうか、しっかりと検討するなかで、スピード感をもって具現化してまいります。
令和6年度は、横川小学校で既存の学校施設を活用した子どもの居場所の開設準備をしていくとともに、改築中の亀崎小学校におきまして、施設の整備工事を進めてまいります。

また、はたらく親の応援には、働く場所が増えること、すなわち雇用の創出や安定した税収の確保につながる企業誘致も非常に重要な取組です。
現在、検討を進めている石塚地区工業団地の企業誘致に際しましては、市長としてトップセールスを行うとともに、マスメディアへの広告掲載など、PRを強化してまいります。

「はたらく親を応援するまち」は、「半田で子育てをしてよかった、半田で子育てをしたい」と選ばれるまちへの変革を具現化していくチャレンジです。これは特定の分野や行政のみの取組では、容易に達成することはできません。市民、事業者の皆様と共に、オール半田でチャレンジしてまいりたいと存じますのでご理解とご協力をお願い申し上げます。

まちの顔づくり・中心市街地エリアの魅力を高める仕組みづくり

2点目は、「まちの顔づくり・中心市街地エリアの魅力を高める仕組みづくり」です。

私は、本市が持続可能な都市経営を行っていくためには、名鉄知多半田駅から半田運河に至る中心市街地エリアの価値を高め、活発な民間投資が起きることが重要であり、生じた税収を市全域へ再び投資するといった好循環を目指す必要があると考えています。
加えて、人口減少社会において、まちの発展のためには、「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考え方によるまちづくりが重要です。
このエリアにおいて、JR武豊線の鉄道高架やJR半田駅前の土地区画整理事業が進められている現在のタイミングは、新たな賑わいの創出と、まちの魅力を高めていく最大の好機となります。
このため、市民、事業者の皆様、市長特任顧問と共に、中心市街地活性化の仕組みや仕掛けづくりを行ってまいります。
令和6年度は、現在進めているビジョンづくりをより具体的なアクションにつなげていくため、地域の意見をもとに中心市街地活性化基本計画を策定してまいります。
また、商工会議所を事務局とする中心市街地活性化協議会を設立し、公民連携のまちづくりを実現するための推進体制を構築してまいります。
10月には、名鉄知多半田駅前地区に「半田市創造・連携・実践センター」を開設してまいります。このセンターでは、中心市街地活性化の取組や情報発信を行うとともに、市民、事業者、学生等の交流、連携及びネットワークの形成、起業・創業を促進してまいります。
活性化に向けて、中心市街地に集積する都市機能や歴史文化を最大限に生かし、名鉄知多半田駅前、JR半田駅前、半田運河周辺の各エリアの魅力を高めながら、一体的にとらえた視点で取り組む必要があります。
市民、事業者、関わる全ての皆様と、多くのアイディアや夢が詰まったビジョンを共有しながら、中心市街地エリアの魅力と活力の創出に全力で取り組んでまいります。ご理解とご協力をお願いいたします。

次代の産業を担う人材育成・6次産業化農業者の支援

3点目は、「次代の産業を担う人材育成・6次産業化農業者の支援」であります。

私は、事業者の元気がまちの元気につながると考えています。
そのためには、産業人材の育成や次世代の担い手の確保が重要であり、柔軟な思考を持った経営者や、地元企業に愛着を持つ若者が増えていくことが望まれます。
産業振興会議の意見も踏まえた「未来志向の勉強会」では、移り変わりの早い社会に対応し、成長を続けるために必要な「柔軟な思考」を持った経営者を育成していくとともに、事業者同士のネットワークの強化を図ってまいります。
商工会議所との連携による「オープンファクトリー」では、子どもたちに、市内事業者のものづくりの現場を見学いただき、仕事に対する情熱と姿勢を体感してもらいたいと考えており、市内の高校へ出向いて企業PRを行うことなどもあわせ、地元企業の魅力や価値を若い世代に伝え、次世代の担い手の確保に努めてまいります。

また、本市の農業の強みを生かすために、6次産業化農業者支援プロジェクトを進めます。このプロジェクトでは、プロジェクトリーダーとともに、農家の個の力を高める取組や交流を促す農家プラットフォームの創出などを行ってまいります。

さらに、農業マルシェの充実や、ECサイトの活用支援などを通じて、農家自らが販路を獲得できるようにします。私は、これらの取組が、本市の産業の競争力や持続力を高めていくことになると信じています。

以上が、令和6年度の様々な重点施策のなかで、特に市民の皆様と共に挑んでまいりたい新たなチャレンジです。

4.主な大型プロジェクト等について

続きまして、現在、本市で進めております事業のうち、大型プロジェクト及び公共施設整備の主な事業について申し上げます。

まちづくり

まちづくりの分野では、JR武豊線の連続立体交差化事業を令和9年度に完了を目指しており、東西交通の円滑化により一体的な中心市街地の形成が図られます。高架下の空間は、市民の皆様に親しまれるよう活用を図ってまいります。

また、JR半田駅前と乙川中部の土地区画整理事業も着実に進めており、駅前は歴史と文化を感じるまちなみを形成し、賑わいを創出していくとともに、乙川中部は、環状線や国道247号の整備により、市内の渋滞緩和と臨海部へのアクセス性の向上を図ってまいります。

医療

医療の分野では、知多半島医療圏の中核となる新病院を令和7年4月に開院する予定です。

この新病院は、半田病院と常滑市民病院を統合した「地方独立行政法人 知多半島総合医療機構」が運営し、市民の健康と安心を守るため、両病院が一体となって急性期から回復期まで切れ目のない医療を提供してまいります。

また、新病院へのアクセスを改善するために、道路拡幅や知多横断道路の緊急退出路設置、公共交通の整備などもあわせて進めてまいります。

教育・福祉

教育・福祉の分野では、新学校給食センターを令和6年9月に供用開始する予定であり、最新の衛生管理基準に対応した施設で、安全で安心な学校給食を提供してまいります。

新総合体育館の建設については、機能の充実とさらなるスポーツ振興を目指し、令和6年度に基本構想を策定し、建設予定地や施設の規模などの方針をお示ししてまいります。

また、成岩公民館にかわり、成岩小学校敷地内に地域の交流拠点となるような施設整備を進め、住民の交流促進によるコミュニティの構築と活性化を図ってまいります。

さらに福祉文化会館の大規模改修は、中心市街地の活性化も見据え、社会教育の拠点施設としてリニューアルしてまいります。

以上が、令和6年度に実施する主な事業です。

5.結びに

結びに、私は、これまでの3年間、市政をお預かりするトップとして、市民の皆様の声を直接お聞きする機会と対話を大切にしてまいりました。
様々な出会いとふれあいの中から得られるまちづくりへの想いや声は、私にとって半田市をより良く変革していこうとする大きなエネルギーとなっています。

変革とは、可能性を見逃さず、現実のものにしていくことと考えています。
令和6年度は、私が職員とともに種をまき、育て、加速化してまいりました取組の具現化に向けて、市民の皆様と共にチャレンジしてまいります。

市長としての最大の使命である「市民の幸せを実現すること」を胸に、市民の皆様と共に幸せを実感できる、活気あふれる半田市を目指し、全身全霊で市政運営に取り組んでまいりますので、市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

以上で令和6年度の施政方針とさせていただきます。

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